「うわあ・・・・・」
こんな大きなお風呂は初めて見る。
「おっきいねえ・・・」
隣でナオさんも驚いたように浴室を眺め回している。
「ね、早く入ろう!」
ナオさんはさっさと服を脱ぎ捨てると、僕の服に手を掛ける。
「じ、自分で脱げるったら!」
僕はナオさんの手を押さえたけれど、ナオさんは
いいから、いいからなんていって結局僕の服を脱がしてしまった。

バスタブにお湯を張りながら、オトナ2人が使っても十分に広い
洗い場で、身体を洗いあう。
といっても、ほとんど洗われていたのは僕だった。
「ちょ、ちょっと!洗うだけだってゆったじゃない!」
泡だらけのナオさんの手が、足の間に滑り込んできて
僕は慌てて抗議した。
「だから、手で丁寧に洗ったげるってば」
ナオさんは後ろから僕を抱き込んで、僕の足を開かせる。
「や、やめ・・・・」
抵抗の言葉も虚しく、握り込まれて背筋が反る。
泡の滑りを借りて、ナオさんの手はいつもより素早く動き
僕を追いつめていく。
「も・・・・ダメっ!」
悲鳴のような声をあげて僕は、ナオさんの手に白濁をこぼした。
肩で息を吐く僕をナオさんがきゅっと抱きしめる。
「まこ、かわいい」
耳元で囁かれる。
僕は身体を捩って、ナオさんに抱き付いた。

「わ・・・」
ナオさんの身体も泡だらけで、抱き付いた腕が滑る。
僕は慌ててナオさんの首にしがみついた。
ナオさんはそのまま僕を抱え上げると、お湯の溜まった湯船に
そろそろと僕を下ろした。
「あつくない?」
「丁度良いよ」
僕がナオさんを見上げて答えると、ナオさんはざぶんといきおい
良く僕の隣に沈んだ。
僕の顔にもお湯の飛沫が飛んでくる。
顔を顰めていると、ナオさんの手が顔の雫を拭ってくれた。
「鏡の国のアリスって読んだことある?」
引き寄せられて、ナオさんの胸に背中を預ける。
「ううん」
聞いたことはあるけど、読んだことは無かった。
もともとそんなに本は読まない。
僕はナオさんに抱えられたまま、首を振った。
「アリスを書いた人って、数学者なんだよ。数学の論文よか、
アリスのが有名やけどね〜」
そういえば、ナオさんは数学科だった。
「だから、この部屋を選んだの?」
ナオさんを見上げて聞くと、ナオさんは笑って僕の額に口づけた。
「そ!」
目を閉じて口づけを受ける僕の顔をのぞき込んで、ナオさんは
にやりと笑う。
「芝生で、僕がなんていったか覚えてる?」
芝生で??
なんか特別なことゆったっけ?
僕が考え込んでいると、ナオさんは僕の耳に口を寄せ、囁いた。
「今夜は寝かせないってゆったよね?」
囁きながら、耳の後ろをぺろりと舐めてくる。
僕は耳に吹きかけられた熱い吐息と、舐められた感触に、
ぞくりと身を震わせた。
こう云うときのナオさんの声はびっくりするほど色っぽい。
僕は顔を赤く染めて、小さく頷いた。

−−−−−−−−−−−どっちがイイ?−−−−−−−−−−−−

「ね、ココでしていい・・・?」
熱い囁きとともに腰に押しつけられる、お湯よりも熱いモノ。
僕は頷くより他になかった。

「さ、もうそろそろあがろっか。なんかのぼせそう」
ナオさんが笑って僕を抱え上げた。

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