「ね、ココでしていい・・・?」
熱い囁きとともに腰に押しつけられる、お湯よりも熱いモノ。
僕は頷くより他になかった。
「って、湯船の中でするの?」
ぎゅっと抱きしめられて、思わずナオさんを振り返る。
「うん。浮力あってヤりやすそうやから」
ナオさんはあっさりと云って僕の首筋を舐め上げる。
首についた雫が舐め取られた。
僕が見動きする度に、おゆがちゃぷりと音を立てる。
いつの間にか前に回った手が、半勃ちの僕のモノをぎゅっと
握る。
「あっ!」
思わずあげた小さな声は、お風呂の中で反響して、妙にいやらしく
聞こえる。
僕の声が響くと、ナオさんの手が速さを増した。
お湯の中で動くナオさんの手が、ゆらゆらと揺れる水面の
下に見える。
お湯の助けを借りて、ナオさんの手は滑らかに動く。
僕はあっと言う間に追いつめられた。
「ね、も・・・止めて・・」
このままでは、お湯を汚してしまう。
僕はナオさんの手を押さえたが、ナオさんの手の動きは一向に
止まる気配が無い。
「で、ちゃうってば!!」
限界を感じた僕が余裕無く叫んだ途端に、先端にぐりりと爪が立て
られる。
「!!!」
僕は堪える間もなく、お湯の中に放ってしまった。
「なんか・・・・不思議な光景やね」
ナオさんはしげしげとお湯の中でゆらゆらと揺れる僕の白濁を
見つめる。
「そっ、そんなの見ないでよ!!」
僕は恥ずかしさに慌ててお湯をかき混ぜた。
「やっぱり温泉みたいな濁った感じにはならないねえ」
ナオさんは無茶苦茶を云う。
僕は後ろを振り返って、ナオさんを睨み付けた。
「ん?もう欲しい?」
・・・・・・なにをとんちんかんな事を・・・
僕が呆れて口もきけないでいると、ナオさんの指が後ろへと滑った。

指先が後ろを探る感触に、漏れそうになる声を耐える。
「声、出さないの?」
後ろに僅かに指を埋めながら、ナオさんが耳に囁く。
吐息が濡れた耳に掛かって、ひんやりとする。
僕は唇を噛んだまま、頭を振った。
声の響くこんな場所で、自分のやらしい声なんて聞いてられない。
ゆっくりとナオさんの指が僕の中に埋まっていった。
根本まで収められたナオさんの指が、緩慢に動き出す。
指の動きに連れて、僅かずつお湯が中へ入ってきた。
ナオさんは僕の髪に口づけながら、指を強引に増やす。
「う・・・・・」
二本の指が纏めて捻り込まれる側から、暖かなお湯が僕の中へ
流れ込んできて、僕は思わずうめき声をあげた。
ナオさんの指が、探るように中を蠢く。
徐々にお湯に浸食される感覚が溜まらない。
僕は思わず身を捩った。
ちゃぷりと音を立てるお湯の音が、自分の中から聞こえる気がする。
「も、ヤダ・・・」
思わずナオさんの膝に爪を立てて、泣き声を漏らすと、ナオさんは
あやすように僕を抱きしめて、そっと指を引き抜いた。
「まこ、こっちむいて」
優しく云われるままに身体の向きを変えてナオさんの顔を見つめる。
ナオさんの腕の中に、すっぽりと収まるように抱きしめられて、僕は
そっと安堵の溜息をもらした。
ナオさんの手が髪を撫でる。
僕はナオさんの胸に頬をすり寄せた。
ナオさんの腕の中は、あたたかくてすごく安心する。
じっと耳をくっつけて、ナオさんの心臓の音を聞いていたら、
ナオさんが僅かに身じろいだ。
「まこ」
名前を呼ばれて見上げると、僕を見下ろしたナオさんと目が合った。
黙ったままのナオさんの顔をじっと見つめる僕の顔が赤く染まる。
下腹部に押しつけられるお湯とは違う熱さ。
「続き・・・してイイ?」
耳に囁かれて、僕は赤くなった顔をナオさんの肩に埋めてかくして、
小さく頷いた。

ナオさんの云っていた、浮力のせいもあって、軽々と腰をかかえあげ
られる。
不安定な体勢に、僕は慌ててナオさんの首にしがみついた。
先程解された後ろに、ゆっくりと押し当てられる熱いモノ。
僕の身体が下りた分だけ、ナオさんのモノが入ってくる。
僕は息をゆっくりと吐きながら、ナオさんのモノを受け入れた。
「は・・・・・」
全てを収めて、息を吐く。
「ん・・・・・」
甘く鳴るナオさんの喉に口づける。
ナオさんは僕の背中に腕を回すと、ゆっくりと腰を突き上げた。
「あんっ!」
思わず甘い声が漏れる。
お湯の飛沫が胸に当たって、それすらも快感を呼び起こす。
腰を押さえつけられたまま、下から揺さぶられるように突き上げられ
て、僕はナオさんにしがみついたまま、絶え間なく声をあげていた。
僕のあげる甘い声が、お風呂場中にうわんうわん響いている。
ナオさんの荒い息と、僕の甘い声。
僕はそれらに満たされて、ナオさんの腕の中で大きく体を跳ね上がら
せて、お湯の中へと吐きだした。
ぐったりと脱力する僕を、ナオさんは容赦なく揺すり上げる。
がくがくと揺さぶられながら、身体の中に注ぎ込まれる熱い迸りを
感じて、僕は身体を震わせた。


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