目を覚ますと、僕はナオさんの胸の中に居た。
あったかくて、きもちいい。
僕はもぞもぞと身体の向きを変えると、ナオさんの
胸に頬を擦り寄せた。
耳をくっつけると、ナオさんの心臓の音が聞こえて、
鼻をくっつけると、ナオさんのにおいがする。
春休みなんだから、たまにはずっとこうして居たいな。
横目で見上げた時計の針は、もう7時を指していたけど、
僕は起きるのをやめて、ナオさんの胸にくっついた。
ナオさんはちっとも起きる気配が無くて、いつもどおりの
平和な顔で、盛大な寝息をたてている。
僕はそっと、ナオさんのパジャマのボタンを外していった。
別に深い意味があった訳じゃない。
ただ単に、ナオさんの肌に触れたかっただけで・・・。
パジャマを少しはだけさせて、指先でそっと素肌に触れる。
人肌って、どうしてこんなに気持ちが良いんだろう。
僕は一頻り胸を撫でると、そっと唇を押しあてた。
それから、ほっぺたをくっつける。
パジャマ越しより、断然気持ち良い感触に、思わずうっとり
してしまう。
じっとほっぺたをつけていたら、急にぎゅっと抱きしめられた。
「な、ナオさん?」
びっくりして、胸の中からナオさんの顔を見上げると、ちゅっと
額に口付けが落とされた。
「おはよ〜」
何時の間に起きたのか、寝ぼけ眼のナオさんは、ぎゅうぎゅう
僕を抱きしめる。
僕はナオさんの首に腕を回して、そっと額に口付けを返した。
「ナオさんおはよう」「おきてたん?」
ナオさんの腕の付け根に、頭を持たせかけている僕の髪を
ナオさんの手がのんびり撫でる。
寝起きのせいか、ナオさんの声はちょっと掠れて、それが妙に
色っぽかった。
「うん。ちょっと前にね」
「続きは?」
「続き?」
一体なんのことだろう?
きょとんとして、ナオさんの顔を見上げると、ナオさんはにやりと
笑って、僕の手を軽く掴んだ。
「まこちゃんが、煽ったんやからね?」
言葉とともに、手がぎゅっとある場所に押しあてられる。
熱くて固いそれは、僕の手の中でまた、大きさを増したようだ。
僕は赤くなって、ナオさんの顔を見つめた。
「まこちゃんが胸にチュウしたりするから、すっかりこんなに。
責任とってくれるよね?」
ナオさんはニヤリと笑うと、僕をぎゅっと抱きしめて耳に低く囁いた。
「まだ、責任取るなんてゆってないっ!」
抗議の言葉は当然のごとく無視されて、あっと言う間にパジャマを
全部脱がされる。
「まこちゃんの真似」
ナオさんは、笑って僕の胸に頬を擦り寄せた。
「あっ!」
擦り寄せついでに、ぺろりと胸を舐められて、思わず声をあげて
しまう。
「カワイイ声・・」
含み笑いをしながら、ナオさんはゆっくりと胸のあちこちへと、熱い
唇を押しあてていく。
「はあ・・・・っ」
僕はナオさんの頭を抱えるようにして、小さく息を吐いた。
ゆっくりとナオさんの手が、脇腹をなで下ろし、下腹をさする。
ナオさんの舌が悪戯するように僕の胸をつつき、僕は唇を噛んで
声を堪えた。
昼間・・・というより、朝っぱらから、こんな明るい陽の元で、いくら
なんでも声をあげるのは恥ずかしい。
じっと声を堪えている僕の気持ちを知ってか知らずか、ナオさんの
唇は容赦なく胸から腹へと下りていき、ついでのように、へそに舌
が差し込まれる。
「んあっ!」
僕は思わず、噛み締めていた唇を解いて、あられもない声をあげて
しまった。
慌てて両手で口を塞ぐ僕の顔を、ちらりと上目遣いで見上げて、
ナオさんは僕に見せつけるかのように下腹をゆっくり舐めた。
僅かに膝を立てた僕の足を、ゆっくりと割り広げながら、舐めた所に
ナオさんが息を吹きかける。
すうっと舐められた場所が冷え、僕はぶるりと身体を震わせた。
ナオさんには、指一本触れられていないと云うのに、僕の中心は
すっかり立ち上がって、ふるふると震えている。
「もうとろとろ」
ナオさんの嬉しそうな声がして、舌が軽く先端を舐める。
「んんっ!」
ナオさんの舌は、ゆっくりと僕の中心を舐め回し、僕はぎゅっと目を
瞑って、声を堪えるので精一杯だった。
「まこちゃん。目、開けて」
優しい声とともに、頬が撫でられる。
僕はうっすらと目を開けた。
その途端、ぐいっと身体を折り曲げられて、目を開けた僕の
目の前に、いやらしく濡れた僕自身が晒された。
「ナオさんっ!」
身体は柔らかい方の僕だけど、この体勢は苦しいし、それより
なにより、ものすごく恥ずかしい!
僕は悲鳴のような声をあげて、ナオさんを睨んだ。
「ん?どうしたん?」
なのにナオさんときたら、憎らしいほど落ち着いて、のんびり僕の
先端を舐めたりする。
至近距離で見せつけられる痴態を正視できなくて、僕は顔を背ける
と、ぎゅっと目を瞑った。
「目、開けてよ」
云いながら、ナオさんは舌を根本へと滑らせる。
「やだ」
僕は頑なに目を閉じたまま、ぶんぶんと首を振った。
「どうしてイヤなん?」
いいざま、ナオさんの口の中に僕の双玉が含まれる。
音を立ててしゃぶられて、僕の足がぴくぴく震えた。
「は、ずかしいからっ!」
濡れた音が耳に届いて、僕はそれを振り払うように首を振りながら
小さく喚いた。
「何にも恥ずかしくなんか無いのに・・・」
ナオさんの舌は、そのまま後ろへと滑っていく。
僕は身体を強張らせた。
「ナ、オさん、もう、止めて・・・」
後ろの入り口を舌先でつつかれて、僕は震える声で、懇願した。
後ろを舌で愛撫されるのは、いまだにちょっと抵抗感がある。
それなのに、ナオさんは容赦なく舌を中へとねじ込んでくる。
「ひ・・・・っ」
柔らかな異物に後ろを犯される感触に、僕は身体を震わせて、
シーツをぎゅっと掴んだ。
ナオさんの舌は、僕の襞を辿るように丁寧に舐めてから、ゆっくりと
舌を抜き差しする。
「も、や・・・やだ、止めて、ね・・・」
舌越しに唾液が中に流し込まれ、ナオさんの舌が出入りする度に、
後ろからぴちゃぴちゃと濡れた音がする。
僕の制止に、泣きが入ってきたのに気づいて、ナオさんはようやく
顔をあげた。
「ナオさんのバカ・・」
恥ずかしくてたまらなくて、僕はナオさんの視線から顔を逸らすと呟いた。
「恥ずかしがるまこちゃんも可愛い」
ナオさんはちっとも反省する様子が無く、熱く火照った僕の頬に、
音を立てて口づけを落とす。
僕は顔が見えないように、ナオさんの首にしがみついた。
「もうそろそろ、僕も限界なんやけど・・・」
太股にナオさんの昂りがぴたぴたと押し当てられる。
僕はナオさんの肩口に顔を埋めながら、ゆっくりと足を開いた。
ナオさんの手が、無造作に僕の足を抱え上げ、ナオさんの舌で解された
後ろに、堅く張り詰めたナオさんのモノが押し当てられる。
僕は息を詰めて、ナオさんのモノが押し入ってくる感触に耐えた。
身体の中に、力強く入ってくる確かな質量。
「は・・・・」
ナオさんはゆっくりと根本まで僕の中に納めると、小さく息をついて
僕をぎゅっと抱きしめた。
「まこちゃんの中、すごく狭くてあったかい」
ナオさんが耳元で、小さく囁く。
「ナ、オさんの、すごく・・熱く、て・・火傷しそう」
軽く揺さぶられて、声を乱しながら、僕もナオさんの耳に囁き返す。
本当にナオさんのモノは堅くて熱くて、僕の中を一杯に埋め、苦しくて、
でも、ものすごく気持ちいい。
ナオさんのゆったりとした腰の動きに、僕はうっとりとされるがままに
感じていた。
抜け落ちる寸前まで、ゆっくりと退き、それからまた、ゆっくり
と奥深くまで貫かれる。
その度に、もどかしいまでの快感が、僕の身体を痺れさせる。
いつになく穏やかな動きに、僕の身体はだんだんと焦れてきた。
もっと激しく突いて欲しい。身体が軋むほどきつく抱きしめて、僕を
思い切り貫いて欲しい。
こんな思いに身を焦がされて、僕はいつしか自分から腰を揺らしていた。
ナオさんの腰に足を巻き付けて、思いきり自分に引き寄せる。
「ナオさん・・・もっと・・」
僕はナオさんの背中にしがみついて、耳元で甘く囁いた。
途端にナオさんの動きがスピードを増す。
「まこちゃんは・・・煽るのがうまくなったね」
僅かに息を乱しながら、ナオさんが力強く腰を打ち付ける。
「んあんっ!あっ・・・あ・・・あ・・」
望んだ通りに動かれて、僕はもう声を堪えることも出来ずに、朝っぱら
から甘い声をあげて、ナオさんに縋り付いていた。
ぐるりっと腰を回すように突き入れられて、僕のポイントをナオさんのモノ
がきつく抉る。
「ぅんっ!!」
僕は思いきりナオさんの背中に爪を立てると、震えながら白濁を放った。
ナオさんと僕の下腹部が、とろりと暖かい液で濡れる。
「あとちょっと・・・付き合ってね」
快感の余韻にぼうっとして脱力している僕の腰を両手で掴んで、ナオさん
が腰を打ち付ける。
僕はナオさんの首に腕を回したまま、がくがくと揺さぶられていた。
ナオさんが僕の奥を一際深く抉り、息を詰める。
「ん・・・っ」
身体の奥深くに、ナオさんの迸りが叩きつけられる感触に、僕は思わず
ナオさんの肩に噛みついた。
「まだ・・・一日はこれからだよね?」
僕の中に入ったまま、ナオさんが顔をのぞき込む。
「せっかくの春休みやし、たまには記録に挑戦しようか?」
ナオさんはにやりと笑うと、僕の頬に口づけた。
「記録って・・・?」
イヤな予感がするけど、一応確認を取ってみる。
「うーん。抜かずに5発に挑戦・・・とか?」
5発!?
とてもじゃないけど身体が持たない。
「却下!!」
僕は首をぶんぶん振った。
「少なすぎる?」
「違うってば!そんなに出来ない!」
「出来るかどうかはともかく、挑戦することに意義が・・」
「バカっ!」
ナオさんの口を手で塞ぎながら、僕は中に居るナオさんが、むくりと勢いを
増したのを感じた。
今日は長い一日になりそうだ・・・・。
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