ナオさんの手は、あっと言う間にシャツのボタンを外してしまった。
少し熱いナオさんの手が、僕の肌の上を滑る。
ナオさんの手の感触に集中したくて目を瞑っていたら、ナオさんの
手がまぶたに触れた。
まぶたから頬へ指を滑らせ、耳たぶをふにふにと摘む。
「まこちゃんの耳たぶ、柔らかくて気持ちイイ」
ナオさんはそういって、耳たぶにそっと口付ける。
軽く噛んだり、柔らかく引っ張ったりして一頻り僕の耳たぶで遊ぶ
と、そのまま唇を滑らせて首筋を舐め下ろし、鎖骨に口づける。
意識的にか無意識なのかは知らないけれど、ナオさんの唇はいつ
でも上から下へと降りてくる。
鎖骨までたどり着いた唇は、それから胸を下り、ひっかかりを見つけ
て立ち止まると、それをそっと吸い上げた。
「あっ!」
僕は思わずナオさんの髪を掴んで声をあげてしまう。
目を閉じていても、ふふっとナオさんが笑ったのが分かった。
目を開けると、胸を口に含んだまま上目遣いで見上げるナオさんと
ぱちんと目が合う。
「気持ちイイ?」
ナオさんは見せつけるように下から胸の尖りを持ち上げるようにして
舐め上げる。
僕は恥ずかしくなって目を逸らした。
「顔赤いよ?」
ナオさんの楽しげな声がする。
「ほっといて・・・」
僕は顔を両手で覆って顔が見えないようにした。
「顔隠さないでよ〜」
ナオさんが僕の手を引っ張る。
しぶしぶ手を離すと、ナオさんはちゅっと音を立てて額にキスを
落としてくれた。ナオさんの唇は徐々に徐々に降りていく。
ズボンをはいたままの僕のぎりぎり見えているへそに、尖らせた舌
を差し入れる。
くすぐったくて、僕は身を捩って舌から逃れようとした。
途端に膝までズボンがずり下げられてびっくりする。
いつの間にかボタンが外されていて、僕が身を捩ったことで腰が
浮いて、謀らずもナオさんの手助けをしていたようだ。
下着ごと下げられて急に外気に晒された部分が震える。
「寒い?」
ナオさんは聞きながら暖かな手で僕のモノを掴んだ。
緩やかに扱かれると、気持ちよくて腰が浮き上がってしまう。
ナオさんの手は巧みに僕を追い上げる。
唇を噛んで声を耐えていたら、ナオさんの手が口に無造作につっこ
まれた。
「んっ・・・・」
指が逃げる舌を掴む。ナオさんは遠慮なく口に手を突っ込んでくる
から、うまく息ができなくて苦しい。
片手は口で舌を弄び。
片手は下で僕を弄び。
あっと言う間にナオさんの両手はべたべたに濡れた。
「んあっ!はぁっ、はぁ・・・」
急に口から指が引き抜かれて、僕は荒い呼吸を吐いた。
「あっ!」
ナオさんの指先が敏感な先端をきつく撫で、僕は震えて甘い声を
あげた。
「そ、そ。ちゃんと気持ちよかったらイイ声だしてね」
ナオさんは僕の顔をのぞき込みながらこんな事を云う。
僕は恥ずかしくてしょうがなくて、ナオさんを小さく睨み付けた。
「可愛い眼でそう睨むなって!」
軽くいなされて、目元に口づけられる。
僕は半分諦めの境地で目を閉じた。
僕のモノは完全に天を仰いでいて、開放を待ちわびるかのように
時折びくりと震えた。
「も、イきそう?」
ナオさんの指が僕のモノを軽く弾き、僕はその刺激に息を詰めて
がくがくと頷いた。
「ん〜、でも、もちょっと我慢ね」
ナオさんはイきそうかと聞いた癖に、とんでもないことを云い出す。
「・・・・・も、もうダメ・・」
情けない涙声で限界を訴えたが、あっさり却下された。
「まーだダメ〜」
ナオさんは歌うように云って、脱ぎ捨てられた僕のズボンのポケット
を漁る。
何をしてるんだろう?と顔をあげて見ると、ナオさんはポケットから
持ち出したものを僕の目の前に掲げてみせた。
「イイものみーつけた」
目の前にぶら下げられた長いものは・・・・・
はちまき。
帰り際に貸していた友達から返ってきたもので、そのままポケットに
入れて持って帰ってきてしまったものだ。
なんだかイヤな予感がした。
「・・・・・・まさか手を縛ったり、目隠ししたりしようっていうんじゃあ
無いよね?」
先手を打って、牽制しようと震える声でこう云ったら、ナオさんは
真顔で手を振って否定した。
「んな悪趣味なことしないって!」
ナオさんが否定したので、安心して身体の力を抜いた途端、
立ち上がった僕の根本にハチマキがきつく巻き付けられた。
「やっっ!」
慌てて身を起こして手を押さえようとしたが、逆に押さえ込まれて
床に押しつけられる。
「大人しくしてろ」
凄みを聞かせた声で耳元に囁かれ、僕はびくりと動きを止めた。
「や、やだ・・・やめて・・・」
僕の半泣きの声を無視して、ナオさんはきゅっきゅと手際よく
ハチマキを僕の根本に締め、形良くリボンに結んだ。
「これでよし!」
ナオさんが満足げにリボンのはちまきが結ばれた僕のモノを見る。
欲望を堰き止められた苦しさと、見られているという羞恥感に思わず
涙がこぼれた。
「泣かなくて良いから」
ナオさんの優しい舌が僕の涙を受け止める。
そしてぎゅっと抱きしめて、額にキスをひとつ。
まったく優しいんだか、優しくないんだか分からない。
ナオさんの濡れた両手が僕の膝裏を掴み、胸に押しつける。
「自分で持って」
ナオさんはあっさり云って、僕の両手を膝裏に導く。
「こ、こんな格好ヤダって・・・」
力の入らない手でナオさんの手を押しのけたが、逆に掴まれて
「ちゃんと持ってろって」
膝裏を抱えさせられる。
ぶるぶる震える手で、なんとか膝を抱えているとナオさんの手は、
僕の双玉をやわらかく揉みしだき、そのまま下へと滑っていく。
続けざまに身体を走る刺激に、僕はひたすら口を開けて大きく喘ぎ、
内股の柔らかい皮膚に爪を立てた。
ナオさんの指が僕の入り口を探りあて、指先をほんの少し中へ埋める。
「うっ・・・」
指先が身体の中に入った途端に強く感じる異物感。
「力抜いてね〜」
ナオさんはあやすように云い、僕の中に指をめりこませる。
浅く呼吸を繰り返して身体の力を抜くと、一気に指が突き入れられた。
「く・・・ぅ・・・、ん・・・」
ナオさんの指は中をきつく抉りながら出入りを繰り返し、やがて2本に
増えた。
ゆっくりと中を掻き回される、何とも云えない感触。
僕はきつく目を閉じて、飛びそうになる意識を保つのが精一杯だった。
中を探るナオさんの指が、ある目的をもって一点を突く。
「ひっ!」
突然襲った強烈な快感に、僕は短い悲鳴をあげた。
さっきから、僕のモノはふるふると震えて開放を待ちわびて濡れそぼって
いた。
紅白のハチマキはじっとり濡れて染みを作っている。
「も、ダメ。ホンっ・・・トにダメ・・・」
涙声で訴えて、ナオさんの手を掴んで引っ張る。
「あ〜、ちょっとキツそうやねえ」
ナオさんはこう云いつつも解こうとはせず、相変わらず僕のポイントを
抉り立てる。
「んあっ!」
僕は身体を跳ね上がらせた。
「も、外して!!」
気が狂いそうな快感に、掴んだナオさんの手に爪を立てる。
「も、これ以上、い、いじわるするなら、夕飯作らないっ・・」
爪を立てながら、思わずこう叫ぶと、ナオさんは大笑いした。
「そりゃ困る」
優しく僕を抱きしめてそっと口付ける。
僕はナオさんの首に腕を回した。
足を抱え上げられて、後ろに押しあてられる熱い感触。
僕は身を震わせてナオさんの首にしがみついた。
ナオさんの手が、濡れたハチマキをゆっくり解く。
「ああっっ!!」
僕は高く声をあげて、溜まりに溜まった白濁を散らした。
瞬間、押しあてられたナオさんが一気に中に入ってくる。
「んっっ」
解放の快感に息を吐く暇もなく、突き上げられる。
「中、とろとろだよ」
ナオさんがうっとりと云いながら、時折揺すりあげるようにして根本まで
自身を沈める。
身体の奥深くまでナオさんでいっぱいにされて、僕は切ない息をもらした。
僕の身体が、ナオさんになじむまで待ってゆっくりと抜き差しが始まる。
内部を熱いモノで擦られる感触。
初めは熱さと重さだけが下半身を占めているけど、そのうち快感に凌駕
される。
ナオさんが腕に抱えていた足を持ち直し、肩に掛ける。
突き入れられる角度が変わって、ポイントにもろに突き刺さる。
僕のモノはあっと言う間に勢いを取り戻し、固く張りつめる。
ナオさんが動く度に腹と腹の間で擦れて、それすら信じられないような
快感を生む。
僕は声をあげることすらままならなくなって、ナオさんの肩に噛みついた。
「いて」
ナオさんは小さくこう云ったけど、そんなこと気にしてられない。
だんだんナオさんが僕を穿つスピードがあがり、息が乱れる。
「も、イくな」
ナオさんが低く耳元でささやき、その直後一層深く抉られた奥で、ナオさん
の熱い白濁が放たれた。
「く・・・ぅ・・」
内部の熱さにつられて、僕も2度目の精を放つ。
お互いに荒い息を吐きながら、どちらともなく口付けて、貪るようなキスを
交わした。
気が付くと、すっかり暗くなった部屋で抱き合う僕らを、明るい光が包んでいた。
そういえば今日は十五夜だ。
夕飯には里芋を煮よう。
窓の外の満月をみながら、僕はナオさんに身を擦り寄せた。
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