義兄弟

第三章

  夜、ヒロと二人でもそもそと夕飯を済ませ、自分の部屋に引っ込んでいると、帰ってきたタクが、俺を呼びに来た。
 タクの部屋から、話し声が聞こえるのに、自然と身体が身構える。
「入って」
 後ろから、背中を押されて、部屋に入ると、三人の男がぱっと話すのを止めて俺を見た。
「友達だよ。挨拶して」
「…こんばんは」
 仕方なしに、小声で言って頭を下げる。
「この子?」
「そう。弟」
「弟なのに犯らせてくれるの?」
「ちょっと訳ありなんだ」
 やっぱり…
 会話を聞いて、見る間に血の気が引いていく。
 ヒロと同じように、タクも俺を友達に売る気なのだ。
「震えなくていい。俺達は、ヒロとは違うよ」
 後ろから、耳に囁くタクの声に、俺は背筋を震わせた。

 タクの言葉通り、今回はヒロ達に犯られた時とはまるで違った。
 ヒロ達は、俺をほぼモノとして扱った。
 ただ突っ込み、吐き出すための道具で、俺の反応は…苦痛を感じていようと、快感を覚えていようと…、大して気にもとめなかった。
 今になって思えば、その方がどれだけ楽だったか。
 タク達は、ヒロ達のようにがつがつとただ貪るだけでなく、俺が今、どんなにみっともない格好で、どんなに恥ずかしい行為をしているか、常に自覚させ、羞恥を与え、言葉で嬲り、焦らしに焦らして、精神的、肉体的に追いつめる。
 男達は皆して、俺の感じる場所がどこかを探り当て、徹底的にそこを責め立ててきた。
 首筋を舐められ、胸元をきつく吸われながら、男の逸物が深々と入り込んだ下腹部を撫で回される。
 内と外から圧迫され、内臓を掻き回されるような感覚に、俺は身体を震わせて、くっと喉を逸らした。
「こいつはちょっと、乱暴なくらいの方が好きな変態なんだ」
 タクの言葉に、男達の愛撫の手が、途端に荒っぽくなる。
 ぎり、と胸を捻る指先、あちこちに歯を立てられ、奥を穿つ腰の動きも、がつがつと貪るような動きに変わる。
 根元をきつく戒められて、一度も放出を許されないまま、代わる代わるに犯されて、俺は出すに出せない苦しさと気も狂わんばかりの快楽に、泣き喚き、許しを乞うた。
 快楽と苦痛の前には、矜持も意志もない。
 俺は、男達に促されるまま、淫らな言葉を口に出し、自ら足を大きく開いて、自慰をし、男達のモノをねだった。
 彼らは、一度も俺の中に出さなかった。
「ほら、後ろに出すと零れて部屋が汚れるだろう」
 タクは言い、代わりに、全てを飲ませられる。
 生臭く苦いモノを、何度嚥下させられただろう。
「この光景ってそそるよな」
 俺に口を開けさせ、赤い舌に絡みつく白濁を見ては男達が興奮したように言い、俺は俺は命じられるがまま、味わうように舌で白濁をかき混ぜると、泡立ったそれを飲み下した。
「もう、もうイかせて」
 息も絶え絶えに訴えるが、「お前は後だ」と一言のもとに退けられる。
 タクを含めた四人が、全員満足すると、最後の最後に、半ば朦朧とした状態で、ようやく戒めを解かれて、射精した。
 だらだらときりもなく溢れてくる白濁を、全て手で受け止めて、舌で舐め取る。
 その様子を、タクの冷たい目が見つめていた。