がっこう
職員室
「止めないで」
そんな訳で、震える声のお願いは、あっという間に願った以上に叶えられた。
下着ごとジャージが引きずり下ろされたかと思うと、晒された自身を口に含まれる。
ねっとりと熱い口腔に飲み込まれて、牧野は声をあげて仰け反った。
「あぁっ、さ…、ま、ことっ」
桜井先生、と言いかけて、慌てて名前を呼ぶ。
行為の最中にセンセイと呼ばれるのを桜井はひどく嫌がって、ついうっかり呼んでしまうと、さんざん焦らされたり、激しく責められたりして、酷い目に遭う。
「もっと呼んで」
桜井は、濡れて光る先端をぺろりといやらしげに舐め上げ、牧野の顔を見上げた。
「声を、聞かせて」
言いながら、ぺちゃぺちゃと濡れた音を立てて、牧野のモノを舐めしゃぶり、吸い上げる。
「あぁっ、あっ、まことっ!」
溢れ出した先走りをじゅるりと啜られて、牧野は桜井の頭を押さえるようにして、腰を震わせた。
口中に溢れかえった白濁をこともなげに飲み下し、桜井が唇を舐める。
牧野は、肩で息をしながら、ぼんやりと桜井を見つめていた。
どうして桜井は、こんなにも自分を愛してくれるんだろう。
いつもいつも疑問に思っている事だけれど、桜井に聞いても満足のいく答えが返ってきたためしがない。
「まきちゃんは、ホントに可愛い」
きつく抱きしめられて、牧野は顔を赤らめながら、そっと桜井の背に腕を回した。
自分を可愛いと形容する男がこの世に居るなんて、しかもそれを嬉しいと思ってしまう自分が居るなんて、とてもじゃないけど信じられない。
「今日は、ホントごめんな」
桜井にぎゅっと抱きつきながら、ワイシャツに鼻先を擦りつけて囁くと、桜井は笑ってくしゃくしゃと牧野の髪を撫でた。
「良いってば。今からたっぷりお詫びして貰うし」
「え?」
びくりと顔をあげた牧野の額に、ちゅっと音を立てて口づける。
牧野は、桜井に導かれるがまま、机に上半身を預けて、桜井の前に尻を突きだしていた。
「こ、んな格好…」
恥ずかしさのあまり、身を捩る牧野を強い力で押さえつけ、桜井が薄闇に浮かぶ白い尻を、両手で撫で回す。
「綺麗なお尻」
言葉と共に、ぺろりと尻たぶを舐められて、びくりと牧野の腰が震える。
「やっ、やだっ。止めて、そん、な…っ」
そのまま狭間へと伸ばされた舌に、牧野は焦って抵抗した。
後ろを舌で愛撫されるのには、たまらない抵抗があって、今まではさんざんヤりまくって、半ば意識が飛んだ頃しか、その行為を許した事がない。
けれど、今日は何でも言うこと聞くって約束しちゃったし…っ。
拒否するにできないもどかしさに、牧野は桜井の舌から逃れるように、尻を揺らめかせた。
「誘ってるの?ちゃんと舐めてあげるから、少しじっとして」
ふふっ低い笑い声を漏らし、桜井の手が牧野の尻を左右に割り広げる。
後ろに感じる熱い吐息と、ねじ込まれるぬめった舌に、牧野は声もなく仰け反った。
「ふ、ぅ、う…っ」
牧野の手が、机をさまよい、手に触れたプリントを思わずぐしゃりと握りつぶす。
桜井は、ぴちゃぴちゃと濡れた音を立てながら、執拗に舌を出し入れし、舌づたいに唾液を流し込んだ。
「気持ちイイ?」
震える尻に頬をすり寄せ、桜井が問いかける。
「わ、かんないっ」
砕けそうになる膝を必死で支え、牧野は息も絶え絶えに首を振った。
「分かんないのか」
小さく笑いながら、桜井の手が前に回り、牧野のモノを掴む。
「あぁっ」
もどかしいような後ろへの愛撫とはまるで違う、ダイレクトな快感に、牧野は首を反らして、快感に喘いだ。
あっという間に大量の先走りが牧野の手を濡らし、たっぷりと解された後ろまで伝っていく。
「身体は気持ちイイってよ?」
後ろを舌で愛撫されながら、張りつめたモノを扱かれて、牧野は高い声をあげた。
「あぁっ、あっ、も、もぅ…っ」
立っていられない。
首を捻り、桜井を振り返った牧野は、濡れた唇で、舌足らずに訴えた。
「ま、ことっ」
途端に、力任せに腕を掴まれ、椅子に座った桜井の上に抱き寄せられる。
淫らに足を開き、桜井の腰をまたいだ牧野は、縋り付くように桜井の首にしがみついた。
「挿れるよ」
牧野の片足を持ち上げ、腰を上げさせる。
濡れた後腔に張りつめた先端を押しつけると、解れたソコが吸い付くようにひくつく。
桜井は、たまらず一気に挿入した。
「あ、あぁ…ん、んっ」
何度しても、桜井の大きく張り出した部分を飲み込むのは、たまらなくツライ。
身体を内から無理矢理こじ開けられる感覚に、牧野はきつく桜井の肩を掴んだ。
「ひぁっ、あぁっ」
ぐいっと両手で腰を下ろされて、思わず悲鳴のような声を漏らしてしまう。
「まきちゃんの中、滅茶苦茶熱い…」
甘く耳許で囁かれて、背中をぞくりとしたものが走る。
「自分でも、動けるよね?」
ぺろりと耳朶を舐めながら言う桜井に、牧野は小さく首を振った。
「で、きないっ」
深々と貫かれて、動くどころか呼吸をするのさえ精一杯だ。
「動けるよ。動いてごらん」
桜井の手が、小さく牧野の腰を揺すり、牧野は甘い声をあげて、桜井に縋り付いた。
「いい匂い」
桜井のシャツを胸元までめくりあげ、汗ばんだ肌に鼻を擦りつけて桜井が笑う。
ぽちりと存在を主張する胸の尖りを鼻先で愛撫されて、牧野は震えながら僅かに腰を上下させた。
「ん…その調子」
優しく励ますように言いながら、しっとりと手に馴染む肌を撫で回し、胸先を口に含む。
「んぁ、あ、あぁっ」
きゅっときつく吸い上げられる感覚に、牧野が胸を突き出すようにしながら、再び腰を揺らす。
自分で動けばその分だけ増す快感に、牧野は息を乱しながらも、だんだん夢中になっていった。
「まきちゃんが上に乗ってくれると、ココもコッチもいっぺんに可愛がれるんだよね」
言葉と共に、へそに付きそうな程反り返った自身をきゅっと握り込まれる。
「あぁあっ」
牧野はもう、ここが職員室だと言うことも忘れて、大きく声をあげると、喉を反らして天井を仰いだ。
「うっ、きっつ…」
きゅうきゅうと収縮する内壁に、桜井が低く呻く。
「ほら、まきちゃん動いて…」
ぬるつく先端をくりくりと撫で回されて、牧野はあぁ、あぁ、と間断なく声をあげながら、一心に腰を動かした。
乱れる牧野の痴態に、桜井のモノが、牧野の中で一層大きさを増す。
「は、ぁっ。まこ、まことっ」
あまりの快感に、頭が真っ白になる。
いきなり糸が切れたように桜井にもたれ掛かり、動かなくなった牧野に、桜井は慌てて顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「も、もぅダメ…動け、ない」
涙に潤んだ瞳で、申し訳なさそうにじっと桜井を見上げる。
頬を上気させ、だらしなく緩んだ口元で訴える牧野はたまらなく色っぽくて、桜井はごくりと唾を飲み込んだ。
一気に下半身に集まった熱に、唸るような声をあげて、牧野の腰を掴み、下から激しく突き上げる。
「あぁっ、あぁっ」
突き上げによって身体が跳ね上がったかと思うと、次の瞬間には自重で深く桜井のモノをくわえ込む。
身体の奥の奥を抉られて、牧野は半ば失神しそうになりながら、ぎゅっと桜井の腰に足を巻き付けた。
「あ、も…ぅ、イくっ」
いっぱいに桜井を飲み込んだ場所をひくつかせながら、牧野が白濁を溢れさせる。
ぴくぴくと身体を痙攣させながら、ぐったりと脱力する牧野を腕に抱き留め、桜井は更に激しく牧野の身体を貪った。
飛びそうな意識をつなぎ止めたのは、身体の中に注がれた熱い迸りで。
「ん…」
荒々しいまでの口づけを受けながら、牧野はふぅっと目を閉じた。
「まきちゃん。帰るよ」
優しく頬を撫でられて、ぐったりと椅子に身体を鎮めていた牧野は、ようやく目を開けた。
いつの間にか、乱れきった服装はちゃんと直されて、桜井もぴっちりとスーツを着ている。
「早く帰って、続きをしよう」
桜井は小さく笑うと、牧野の唇に掠めるようなキスをした。
「ぅわっ」
ひょいと抱き上げられて、牧野が慌てた声をあげる。
「自分で歩けるよ…」
「無理するな。夜は長い」
そりゃ、立ち上がるのも一苦労なくらい、身体はだるいけれど、こんな風に横抱きにされて運ばれるのは、たまらなく恥ずかしい。
「下ろしてってば」
「だーめ」
桜井は牧野の顔を覗き込むと、いたずらっぽく口を開いた。
「今日だけは、言うこと聞いてくれるんでしょ?」
…そうだった。牧野はしぶしぶ頷くと、桜井の首に掴まった。
「そこ、まきちゃんが出したので濡れてるから気を付けて」
桜井のシャツをべったりと濡らす自分の白濁に、牧野が真っ赤な顔をする。
「も、かえろ。早く、帰ろう」
今更ながら、職員室でヤってしまったことが後ろめたくなってしまって、牧野は慌てて桜井を急かした。
「ハイハイ」
桜井は牧野を抱えたまま、足でドアを器用に開けて、職員室を後にした。
この学校の職員室に、防犯カメラがあることを、二人は知らない…。