がっこう

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  体育倉庫  

本当に、コイツらは俺を犯すつもりなんだろうか。
 こんなことをしておきながら、どこかのんびりした五人組に、いまいち実感が湧かなかったが、今更ながら怖くなる。
 川原は、怯えた目で大津を見上げた。
「ん?何?」
 視線に気づいた大津が、川原の顔を覗き込む。
「何か、言いたいことがありそうだね」
 大津は笑って言うと、川原の口に押し込まれていたガーゼを取り除いた。
「げほっ、はぁっ…」
 ようやく呼吸が自由にできる。川原は、苦しげに咳き込むと、何度も深呼吸をした。
「もう…やめてくれ」
 掠れた声の懇願に、大津が何を?と聞き返す。
 いつしか、田坂も池山も、川原に触れるのを止めていた。
「お前達がしてることだ。誰にも、誰にも言わないから、もう離してくれ」
 頼むから、と彼らの顔をそれぞれ見つめて、訴える。
 が、彼らにその訴えは届かなかった。
「止めるって…これからが楽しいんじゃん」
「そうだよ。これじゃ先生もつまんないでしょ?」
「誰にも言わないからって、それ、俺らの台詞だよな」
「しっかり勃たせてるくせに、止めろだなんてよく言うよ」
「先生、唇が濡れて色っぽいね」
 笑顔で川原を取り囲み、それぞれ好き勝手に身体へと手を伸ばす。
「やめてくれぇっ」
 薄暗い体育倉庫の中に、川原の叫びが虚しくこだました。
 包帯で目隠しをされ、聴診器やピンセットで身体中を嬲られる。
 すでに田坂と池山の手によって一度イかされた川原は、もう抵抗する気力もなく、ぐったりとしていた。
「そろそろ挿れねえ?オレ、我慢できなくなってきた」
「そだな。おい、救急箱んなかにクリームかなんか入ってないか?」
 大津に言われて、待ってて!と木元が救急箱を探る。
「あった!」
 チューブを見つけだし、木元は嬉々として戻ってくると、何の薬だろ?と表示に目を凝らした。
「書いてあるだろ」
「読めないよ〜」
 差し出されたチューブに、川上が視線を落とす。
「化膿止めじゃんか。バカだな」
「化膿止めなら丁度イイじゃん。頂戴」
 突き出された田坂の手に、川上はチューブを放った。
「オレ、先に口使おっと」
 かちゃかちゃとベルトを外しながら、頭側に回った池山に、木元がずるい!と唇を尖らせた。
「オレも先生に触って欲しい〜」
「手、使えばいいだろ」
「え〜、でも解いて、最初みたいに暴れたらどうする?」
「ちったあ頭使えよ」
 言いながら、池山が身体の下敷きになっていた川原の手を解く。
 腕はとっくに感覚がなくなるほど痺れきっていて、暴れるような体力は川原に残されていなかった。
「こうしてさ、ココとココを縛ってやればイイんだよ」
 池山の手が、手際よく左側の手首と足首を、腕を縛っていた川原のネクタイで拘束する。
「い、やだ…」
 足が胸に付くほど折り曲げられた、窮屈で恥ずかしい姿勢に、川原がいやいやをするように首を振ったが、弱々しい声は二人に聞こえなかった。
「さて、内診と行きますか」
 白衣の腕を腕まくりしながら、田坂が言う。
 後腔と指にたっぷりと化膿止めの軟膏を塗りつけ、田坂はゆっくりと川原の中に指を埋めた。
「あ、ぁあぁ…っ」
 べたつく軟膏のせいか、さほどの抵抗もなく、ぐにぐにと体内にねじ込まれる指に、川原が声をあげ、身体を仰け反らせる。
 冷たく細い体温計とはまるで違う。温かにぬめる指が、ゆっくりと出入りを繰り返すのに、川原は大きく体を震わせた。
「先生。口借りるよ」
 喘ぐ川原の口元に、池山のモノが突きつけられる。
「いやだっ、や、やめ…っ」
 ひきつった顔で頭を振る川原に、池山は舌打ちしながら、ぐいと髪を鷲掴んだ。
「大人しくしてよ、先生」
 髪を掴まれる痛みに、川原の顔が歪む。
「口、空けて」
 そのままぐいぐい揺さぶられて、川原は小さく悲鳴を漏らすと、仕方なしに口を開いた。
「ぐっ」
 無理矢理にねじ込まれる太いモノに、川原の喉が鳴る。
「次、オレが口使う!」
 名乗りをあげる川上に、池山は頷きながら、川原の頭を押さえつけて腰を使った。
「先生、舌使ってよ」
 ゆるゆると腰を動かしながら、池山が要求する。
「じゃないと、喉に突っ込んじゃうよ」
 低く脅すように付け加えられた言葉に、川原の舌がたどたどしく動き出す。
「どお?」
「ヘタだけど、すっげえキモチイイ」
 川原の必死の舌遣いはひどく稚拙で、それがかえって池山の興奮を煽った
「さきっぽ舐めて。ぺろぺろって」
 抜き出したモノを、濡れた唇に擦り付けながら命令すると、川原は目を伏せて大人しく言われた通りにした。
「せーんせ。コッチもお願い」
 痺れたまま、地面に投げ出されていた川原の手を取り、木元がにっこりと笑う。
 手のひらに握り込まされた、熱い塊。
「先生の手でイかせて」
 軟膏が塗りつけられているのか、やけにべたべたしたソレを握り、川原がのろのろと手を動かす。
 抵抗するよりは、従順に言うことを聞いた方が楽だということを学んだ川原は、ひたすらされるがまま、言われるがままになっていた。


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