イきたいのに、快感が強すぎて声が出ない。
唇を噛んだまま、首を振るとナオさんが足の間から顔を
上げた。
「まだ平気なら、我慢ね」
云いながら、サイドテーブルに手を伸ばす。
「な・・に・・・?」
ナオさんの動きに僕が身体を強張らせると、ナオさんは
笑って云った。
「イかないおまじない」
言い様きゅっと僕の根本に紐が巻き付いた。
「や、やだっ!解いてよ!」
僕は足をばたつかせたが、腕を縛られていて自分では
どうにもできない。
戒められた根本が、じんじんと疼く。
手を縛られた上に、昴りまで戒められて、僕は情けなさ
と悔しさにぽろりと涙をこぼした。
「ナオさんのバカ」
涙目で思いきり睨み付ける。
「泣いてるまこも可愛い」
ナオさんは優しい手つきで僕の涙を拭い、そっと頬に
口づけた。
「可愛くて、いじめたくなる・・・」
吐息だけで笑って、ナオさんが身体を起こす。
根本を戒められながらも、とろとろと先走りの雫をこぼす
僕のモノに指を絡めながら、立てた僕の膝に口づける。
「力、抜いてね」
濡れた指が、入り口をくるりと撫でるとゆっくりと中へ
入ってきた。
「ん・・・・・」
息を詰めて、異物感に堪える。
ナオさんの指は、狭い内部を慎重に進み、中をくまなく
探る。
双玉をやわやわと手の中で揉まれながら、指を増やされ
て、僕は苦しいような快感に背を反った。
解放を求めて震える先端から、とめどなく雫がこぼれて、
ナオさんの手を濡らす。
ぐちゅり、ちゅ、ぐちゅ・・・と濡れた嫌らしい音が部屋の中
に響き、僕の耳を犯す。
「んあっ」
中で鈎状に曲げられた指が、僕のポイントに当たり、僕は
思わず声をあげた。
「ココ、だね」
ナオさんの嬉しそうな声がする。
僕は恥ずかしくてぎゅっと目を閉じた。
ポイントを探り当てた筈のナオさんの指は、わざとポイント
を外して中を蠢く。
僕は焦れったいような疼きに思わず腰を揺らした。
ナオさんの指がポイントを掠める度に、びくびくと身体が
震える。
戒められた場所が苦しくて、僕は大きく口を開けて喘いだ。「も、イかせて・・・」
快楽に潤んだ目を開いて懇願する。
後ろからの快感と、堰き止められた前の苦しさのせめぎあい
におかしくなりそうだった。
「もう少し我慢して」
ナオさんの声にも余裕がない。
「挿れてイイ?」
指が引き抜かれた途端に、熱いモノが後ろに押しあてられる。
僕はがくがくと頷いた。
ぐぐっと中を押し分け入ってくる熱くて固いモノ。
「ああああ」
僕は髪を枕に打ち付けながら、切ない声を漏らした。
自由にならない手がもどかしい。
ナオさんの背中に縋り付きたい。
僕は縛られたままの手を握り締めた。
ナオさんの突き上げのままに揺さぶられながら、渇いた唇を
舌で湿す。
濡れた唇に、ナオさんの唇が落とされる。
僕は自分から口を開けてキスをねだった。
深々と貫かれながら、舌を絡めあう。
濡れた音が2カ所から響き、部屋の中に満ちる。
糸を引きながらナオさんの唇が離れ、首筋から胸へと音を立て
ながらキスが落ちていく。
「あ、あ、あ、あ・・・」
キスが落とされる度に、僕の口からは小さな声が漏れる。
時折きつく吸い上げられて、赤い跡が残された。
着替えの時に困るから、目立つところに痕は付けないという
約束の筈だったけど、今の僕にはそんなことを気にしている
余裕がない。
ナオさんの手が赤い痕を辿って下へと下りていく。
「んんっ」
張りつめた自身を握られて、鼻にかかった声があがる。
「イきたい?」
ナオさんの柔らかな声に、僕は今度こそ叫ぶように云った。
「イきたいっっ!!」
ほとんど悲鳴のような声に、ナオさんはくすりと笑って濡れた
紐をしゅるりと解いた。
紐が解けると同時に、ポイントを抉るように突かれる。
「ひあっ!!」
目の前がスパークするほどの快感に声をあげて白濁を放つ。
勢い良く弾けた白濁はナオさんの顔にまで飛沫を飛ばす。
「んぅ・・・・・」
放つと同時に思いきり引き絞った内部に、ナオさんも低く呻くと
僕の中へと迸りを叩きつける。
唇に飛んだ僕の白濁をぺろりと舌を出して舐めながら、ゆっくり
と満足そうな溜息を吐き、ナオさんが僕へともたれ掛かる。
僕はナオさんの頭へ頬を擦りつけた。
「痛いっ!ごめんっ!ごめんてば〜!」
逃げ回るナオさんを僕は縛られていたベルトを振り回しながら
追いかけていた。
「ちょっ、僕はそういう趣味は無い!」
ぺしっとベルトが当たると、ナオさんは大げさに飛び上がる。
「僕だって縛られる趣味なんか無いよ!」
思いきりむくれて擦れて赤くなった手首を撫でる。
「も、もしかして叩いたりするほうが好み?」
真顔で尋ねるナオさんのおでこに無言でこぴんを食らわせる。
「おやすみっ!」
額を押さえて呻くナオさんはほっぽって、僕は一人でベッドに
戻ると、毛布をかぶって身体を丸めた。
今日は散々な目に遭った・・・。
思いながらも口元には笑みが浮かぶ。
僕は笑んだまま、ゆっくりと目を閉じた。
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