必死で唇を噛んで声を耐えていると、ナオさんの指が
そっと僕の唇に触れた。
「そんなに噛んだら、唇がタラコみたいになっちゃうよ?」
云いながら、指先が僕の歯列を割る。
僕はされるがままに口を開きながら、切ない吐息を幾度
も洩らした。
「噛むんなら、僕の指を噛んでええから」
僕はとじていた目を開いて、ナオさんを見つめた。
ナオさんはちゅっと僕の頬に音を立てて口付け、そして
再び顔を伏せた。
頬にしたのと同じように、先端にも音を立てて口付ける。
唾液をたっぷり絡ませて、ちゅぷじゅぷと音を立てて、
僕のモノを飲み込んで舐めしゃぶる。
「んんっ!!」
僕はナオさんの指を口に含んだまま、くぐもった声をあげた。
限界まで張りつめた僕のモノから、とろりと透明な液体が
こぼれ落ちる。
ナオさんの舌は僕の雫をすくい取ると、液体の溢れる割れ目
を抉るように舐めた。
「んああっ!」
思わず声をあげて、ナオさんの口中に放ってしまう。
「ん・・・・・」
ナオさんは僕の放った白濁をあっさりと飲み下すと、解放の
快感に震える僕のモノも綺麗に舐めて清めてくれた。

「気持ちよかった?」
快楽の余韻にぼんやりとした僕の頬を、ナオさんが笑って
撫でる。
僕は半ばうっとりとナオさんを見上げた。
唇を撫でていた指が、半開きになった口に忍び込んでくる。
僕はぼんやりとしたまま、口の中の指に舌を絡めた。
人差し指をしゃぶっていると、横から中指も滑り込んできた。
一本ずつ指の形を辿るように舐めて、吸い上げる。
小さなこどもにもどったような感覚に襲われる。
飲みきれなくなった唾液が、ナオさんの手を濡らし、口の端
からこぼれる頃、ようやく指が引き抜かれる。
自由になった口で、大きく息を吐いた途端に、後ろにいきなり
指がねじ込まれた。
「ひっ!」
狭い入り口に強引に入り込んでくる指に、思わず吸い込む
ような悲鳴をあげる。
「痛かった?」
ナオさんに心配そうに顔をのぞき込まれて、僕は首を振った。
「続けて」
小さな声で云う。
ナオさんの指が慎重に、僕の中を進む。
たった指一本なのに、息の詰まるような圧迫感が苦しい。
僕は吐息を漏らして目を瞑った。
浅く深く出入りする指が増え、きつく中を掻き回す。
「はあっ、あ、あっ、は・・・・」
口を開けて喘ぎながら、渇いた唇を舌で湿していると、ナオ
さんが荒々しく口づけてきた。
貪るように口づけられて、首が反る。
自由にならない腕が、もどかしかった。
「手、解いて・・」
激しいキスの合間にねだる。
ナオさんが手を伸ばしてベルトを解き、僕は自由になった両手
を、ナオさんの背中に回して抱きついた。
「も、イれてい?」
鼻が触れ合うほどの至近距離で、熱く囁かれる。
僕は返事の変わりにちゅっと鼻先に口づけた。

膝が胸に付くほど身体を折り曲げられて、上から体重を掛けて
押し入られる。
凄まじい圧迫感に、僕はナオさんの背中にしがみついた。
いつにない激しさで、容赦なく中を抉られる。
「う・・・・・・ぃっ・・・い・・」
言葉にならない呻きが口からこぼれ、目の端に涙が滲む。
しがみついたナオさんの背に爪を立てながら、僕は自分のモノ
をナオさんに擦りつけるようにして、腰を揺らしていた。
「ふ・・・・」
吐息を漏らしたナオさんが、身体を起こし、突き上げの角度が
変わる。
「んあああっ」
ポイントを突かれて、僕の口から嬌声があがる。
「ココ?」
ナオさんは的確にポイントを狙って腰を使い、僕はがくがくと
頷いた。
あまりの快感に、目を閉じることができない。
ぽろりとこぼれおちた涙を、そっと舌で受け止めながら、ナオ
さんはポイントを抉るように腰を突き立てた。
「んあんっ!!」
目の前がちかちかするほどの強い衝撃に、堪えきれず白濁を放つ。
胸の辺りにまで飛び散った白濁を舐め取りながら、ナオさんは一層
強く腰を打ち付け、僕は吐精の余韻に浸る間もなく、ナオさんの背中
にしがみついた。
強すぎる快楽に堪えるように、ナオさんの背中にきつく爪を立てる。
「・・・・ん・・・・・」
一層深く奥を抉り、ナオさんは甘く喉を鳴らすと、僕の奥深くに放った。
「あ・・・・・・」
じんわりと身体の中に広がる熱い感触に、僕の口からも声が漏れる。
ナオさんは汗で張り付いた僕の髪を掻き上げると、そっと額に口づけた。

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