「まこちゃん、すごく上手になったよねえ」
ナオさんの手がゆっくりと髪を撫でる。
「そお?」
僕はナオさんのモノを口に含んだまま、ちらりとナオさんの顔を見上げた。
「うん。すごくきもちいい」
云いながら目を細めるナオさんは、ほんとに気持ちが良さそうで、僕は一気に嬉しくなる。
「ん・・・・」
両手で張り詰めたナオさんのモノを支えて、一気に喉奥深くまで飲み込んでいく。
苦しいけど、これっぽっちもいやじゃない。
髪を撫でるナオさんの手や、時折聞こえるナオさんの声が、一層僕の舌の動きをスムーズにする。
僕は、ナオさんのモノのてっぺんに音を立てて口づけると、先端をきつく吸い上げた。
ナオさんの息が荒くなる。
「も・・・、ん・・・っ」
低い呻きと共に、いきなり白濁が溢れ出た。
「・・・ごめん」
ナオさんが荒く息を吐きながら、笑って僕の頬に手を伸ばす。
「飲みたかったのに」
冗談めかしてナオさんを睨むと、ナオさんは笑って僕の頬についた白濁を指先ですくい取って、口の中に入れた。
「ひさーしぶりやったから、我慢できやんかった」
濡れた僕の唇を、指先で撫でながらナオさんが囁くように云う。
「一人でしなかったの?」
ナオさんに抱きつきながら訊くと、ナオさんは笑って僕を抱えたままベッドにごろりと転がった。
「まこちゃんが居るのに、一人でするなんて虚しすぎる」
額に額をくっつけて、僕の顔をのぞき込む。
僕は笑って、ナオさんの鼻に口付けた。


「は、あ、あああぁあ」
ゆっくりと訪れる待ち望んだ感覚。
僕は背中を仰け反らせて、甘い嬌声をあげていた。
ナオさんは一度イったせいか、うんざりするほど丁寧に僕を溶かした。
「もう入れて」
「まあだだめ」
このやりとりが3回ほど繰り返されて、僕が焦れて焦れて、ナオさんの指先一つ、吐息一つに身震いするほど感じるようになってから、ナオさんはようやく僕の中に入ってきた。
そのたまらない熱さと、質量。
焦れていたのは僕だけじゃないって、分かる。
ナオさんは僕の足を抱え上げると、初めから勢いよく腰を打ち付けた。
気持ちよすぎて、頭の中が真っ白になる。
「ナオさん・・・ナオさん」
気が付くと、僕は壊れたテープのようにナオさんの名前を繰り返し呼んでいた。
快感と涙にけぶる視界の先に、ナオさんが見える。
「ナオさん」
回らない舌でナオさんを呼ぶと、ゆっくりとナオさんの唇が降りてきた。
あっという間に歯列を割った舌が、中に滑り込んでくる。
僕は、ナオさんの首に腕を回して、絡んでくる舌を吸い上げた。
「ナオさ・・・・んぅ・・・ん・・」
キスの合間に、僕はまた、ナオさんの名前を呼んで、ナオさんは口づけでそれに応える。
深く穿たれながら、舌をきつく吸い上げられて、僕はナオさんにしがみついたまま、身体を震わせた。
僕らの間が白濁で濡れる。
「まこ」
ナオさんが掠れた声で僕を呼んだ。
その途端、ぎゅうっと息もできない程に抱きしめられて、僕は自分の中にナオさんが放つのを感じた。
じんわりと身体の奥に広がる熱。
荒い息を継ぎながら、再びナオさんが僕に口付ける。
ぼくは溺れかけた子どものように、ナオさんにすがって、ナオさんのキスを貪った。


「もうおしまい?」
フルコースってゆってたのに、一度で僕から身体を離したナオさんの顔を見上げると、ナオさんはにやりと笑った。
「まさか。まこちゃんかて足りんやろ?」
う・・・。
少し言葉に詰まる。
まだおなかいっぱい、まではいかなくても、もう腹八分目になるくらいは満足していて。
「今やと・・・スープが終わって魚料理ってトコかな〜」
ナオさんがベッドサイドの冷蔵庫を開ける。
「まこちゃん何飲む?」
ベッドから冷蔵庫の中をのぞき込む。
「カルピス」
水玉の缶を指さすと、ナオさんは自分のジンジャエール・・・これは緑の缶、と一緒に取ってくれた。
「はい」
ちゃんと缶を開けて渡してくれる。
「ありがと」
冷たく冷えたカルピスは、火照った体を程良くクールダウンさせてくれる。
「ここらで一息ついておかないとね〜。フルコースやったら、あと肉料理とサラダと、デザートとコーヒーは少なくとも食わなきゃやし」
ナオさんがジンジャエールを飲みながら、指折り数えて真顔で云う。
僕は少し不安になって、缶を持ったままナオさんの顔をのぞき込んだ。
「一体あと何回するつもり?」
「おなかいっぱい、もうまんぞくっていうまで」
・・・・・・・。
ナオさんがそんな状態になるころには、僕はもう食べ過ぎではち切れそうになってそうなんだけど・・・。
いやな予感に青ざめそうになる僕の手から、飲み終わったカルピスの缶をとりあげて、ナオさんがにっこり僕の顔をのぞき込んだ。
「魚料理はあっさりやったし、こんどはちょっと濃いめにしようか?」
うわ、この顔って絶対良からぬ事を企んでる・・・・
警戒した僕の目の前で、ナオさんはサイドテーブルへと手を伸ばしていた。
「せっかくこんなのがあるんやし」
ひらり、と目の前にぶら下げられるダークグレーの・・・ネクタイ。
「な、なにする気?」
また、縛ったりとかする気だろうか?
少し怯えて後じさりする僕に、ナオさんが飛びついた。
「僕はあんま好きや無いけど・・・」
しゅるりと音を立てて、ネクタイが僕の視界を覆う。
「たまには面白そうやない?」
見えないけれど、ナオさんはきっと笑ってる。
僕はネクタイを解かなかった。


視覚を奪われるって、こんなに感じるんだ・・・。
ナオさんの手が触れるたびに、身体がびくびく震える。
自分から目を閉じるのとはまるで訳が違う。
ナオさんの指先がゆっくりと僕の背骨を辿っていく。
指の辿った道をなぞるようにして、唇も落ちていく。
指がぬれた割れ目を辿る感触に、ひくりと入り口が震えるのが分かる。
腰だけをあげた淫らな格好。
でも、何故だかいつもよりその格好に羞恥を覚える事は無くて。
その代わり、音に羞恥を煽られる。
ぴちゃり、と音がしてナオさんの舌が後ろを舐めた。
手の甲に歯を立てて、声をこらえる。
声をあげたら、その声にますます感じてしまいそうで。
「いつもよか、感度イイね」
舐められる度にひくつく僕に、ナオさんが笑いまじりに小さく囁く。
濡れたお尻にかかる吐息にさえ、たまらないほど僕は感じて、ぎゅうっと手の甲を噛む歯に、力を込めた。
ナオさんの舌が後ろにねじ込まれては、離れていく。
もどかしい感触に、無意識のうちに腰が揺れる。
「ひあっ!!」
不意に胸を摘まれて、僕は思わず顔をあげて、小さく悲鳴を漏らした。
摘んでは離れて、下腹部を探る。
濡れた下腹部をまさぐったかと思うと、指先で胸を転がされる。
見えないからあ、次になにをされるのか全く予想が付かない。
予想外の刺激は、いつもの何倍にもなって僕に襲いかかっていて。
一旦あげた声は、もう止まらなかった。
ナオさんの手と舌に、翻弄されるがままに、絶え間なく嬌声を漏らす。
「も、いれてい?」
耳元で熱く囁く声に、僕はがくがくと頷いていた。
ナオさんが体重をかけて、一気に僕の中へと押し入る。
顔が見えないのがいやだから、普段はあまりしない体位。
そして、普段よりすこし乱暴なナオさんの動き。
身体ごと揺さぶられるように突き上げられて、僕は慌てて唇を噛んだ。
声をあげていると、弾みで舌を噛んじゃいそうだ。
「んっ・・・んうっ・・・んっんっんんー」
噛み締めた唇の間から、こらえきれない甘い声がこぼれ落ちる。
ナオさんは僕のうなじを甘噛みし、首筋を舐めて、耳たぶに口付ける。
「まこちゃん」
低く掠れた色っぽい声。
普段の明るくおっとりとしたのんびり声とはまるで違う。
余裕なく欲望に掠れた甘い声で囁かれながら、一際深く奥まで埋められて、僕はおれそうな程背を逸らして、思い切り精を放っていた。
「あああっ」
放った途端に、ナオさんが僕を抱いたまま起きあがる。
ナオさんの膝の上に抱え上げられて、自分の体重で一層深くナオさんを飲み込む。
吐精の快感に、半ば呆然としたままの僕を、ナオさんが舌から突き上げる。
「愛してる」
ぎゅうっと僕を抱きしめて、ナオさんが熱く囁いた。
身体の奥の奥に、ナオさんの情熱が迸る。
僕は肩越しに腕を伸ばしてナオさんの首を抱き寄せた。
「僕も」
息も絶え絶えになりながら、やっとの事でこれだけを耳に囁く。
ナオさんの手が、するりとネクタイの結び目を解いたけど、気を失うようにして目を閉じた僕の視界はもう真っ暗だった。




「歩けない」
ベッドの上でぶうたれる。
もう既に、綺麗にお風呂に入れて貰って、制服もきちんと着せてもらっていたけど、身体は痛いし、足腰は立たないし、そのうえすごく眠いしで、僕は子どもみたいにむずかっていた。
「んじゃ、ほら」
ナオさんが笑って、ベッドの脇に膝をつく。
「おいで」
僕に背を向けたナオさんに呼ばれて、僕は背中に飛びついた。


雨上がりで光るアスファルトの道路を、ナオさんに負ぶわれたままのんびりとゆく。
「眠かったら寝ちゃって良いよ?」
云われるまでもなく、暖かなナオさんの背中と心地よい振動に、僕のまぶたはとろりと
落ちかけていた。
目を閉じて、ナオさんの背中に耳を押しつける。
あ、心臓の音がする・・・・
ゆっくりとした鼓動に、ますます眠気を誘われる。
僕はナオさんの背中に一つ口付けて、ぎゅっとナオさんにしがみついた。
おやすみなさい!


え?お題が梅雨?そんなこといいましたっけ?あたし。・・・・なんてとぼけたくなるくらい梅雨と関係無いですね!(笑)ていうか、ただのエロ書くのに、どうしてこんなに手こずってるんでしょう?ホントはお風呂場でしあげH(デザート)まで書きたかったんですけど、どうもエロ不調なのでやめにしました。HIT企画はてこずるっていうの、なんか癖になってる気が(笑)