がっこう

校長室

「お待たせしました」
 初めて入る応接室。設えられたソファに座る人物に、悠は思わず顔を伏せた。
「お久しぶりです」
 立ち上がり、赤松と握手をしながら、親しげに挨拶を交わす男に、こっそりと視線を送る。
 年齢のわりに背が高く、すらりとした紳士風の赤松とは対照的に、その男はでっぷりと太り、はげかけた頭を脂っぽく光らせ、いかにもオヤジくさかった。
「ご無沙汰してます」
 校長は笑って男の肩を叩くと、悠を振り返って、その身体を引き寄せた。
「コレがお話してたアレですよ」
「え?まさか…」
 驚いた顔の男を前に、赤松がどこか自慢げな顔で、悠の髪をぐいと掴み、顔をあげさせる。
「久しぶりに立脇さんと遊ぶのに、フツウじゃつまらんと思いましてね」
「イヤ、驚きましたよ」
 立脇と呼ばれた男は、にやにやと笑いながら、悠の顔に手を伸ばした。
「なかなか可愛い顔をしてるな」
 男の分厚い手が、無遠慮に悠の頬を撫で回す。
「ま、おかけになって下さい。ゆっくり楽しみましょう」
 赤松の言葉に、悠は怖気を震った。


「なんだか、女生徒にイタズラしてる気分ですよ」
 悠を膝の上に乗せ、好き放題にそこら中を撫で回しながら立脇が言う。
「胸の代わりに別の所が膨らんでますがね」
 がはははと声を合わせて二人が笑い、悠は屈辱に唇を噛んだ。
「そうだ。三浦くん、立脇さんに尻を見せてあげなさい」
 赤松に言われて、悠はハッと顔をあげた。
 抵抗する間もなく、無理遣り中央に置かれたローテーブルへと押さえつけられる。
「では失礼」
 笑いをかみ殺した立脇が、ぺろりとスカートをめくり、ブリーフに包まれた悠の尻が露わになった。
「なんだ。パンツは男物か」
 がっかりしたように言う立脇に、赤松が笑って答える。
「今度はちゃんと下着から用意しておきますよ。何ならブラジャーも」
「そりゃあイイ」
 立脇は、笑いながら、無造作に悠のパンツを引きずり下ろした。
「やだっ」
 今更の抵抗は、赤松にいとも簡単に押さえつけられて。
「…これはこれは」
 ごくりと唾を飲み込み、立脇が好色な笑みを漏らす。
「立脇さんの為に、準備しておきましたよ」
 赤松は言いながら、真っ赤な顔をして俯いている悠の顎を掴んだ。
「立脇さんのモノは大層ご立派でね。君が壊れてしまうといけないから」
 恐怖の色を浮かべた瞳を覗き込むようして囁かれた言葉に、悠の背が震える。
「あぁっ」
 急に張り型を動かされて、悠は高い声をあげた。
「これはいつから?」
「お昼休みからですよ」
 ゆっくりと、しかし乱暴に繰り返される抜き差しに、悠はぐっと机の端を掴んだ。
「縁が真っ赤になって…うまそうだ」
 指先が、ぐるりと縁を辿り、悠が声もなく仰け反る。
「こんなんじゃ足りないだろう?もっと、熱くてデカいのをブチ込まれたくないか?」
 言葉と共に、耳に生温かな息が掛かる。悠は首を横に振ったが、それが肯定と否定のどちらであろうと、立脇にはどうでもよかった。
「三浦くん。立脇さんのをしゃぶって差し上げなさい。君の為だ」
 赤松に言われ、悠がのろのろと身体を起こす。
 立脇の足の間に跪く悠に、立脇は見せつけるように、ファスナーを下ろし、膨らみかけたモノを突きつけた。
「歯をたてるなよ」
 脅しのような声と共に、唇に先端が擦りつけられる。
 悠は、目を伏せてソレを両手で支えると、おずおずと口に含んだ。
「そうそう。三浦くんはまだ下手だから」
 後ろに回った赤松が、悠の腰を掴む。
 不安定な姿勢に、悠は立脇にしがみつくようにして、必死に舌を動かした。
「んぁっ、あっ」
 ずるりと後ろに入れられたままの張り型を動かされて、悠の口から舌足らずの喘ぎが漏れる。
 赤松の手は、悠の感じる場所を狙うようにして動き、長時間銜え込まされて敏感になった内壁を容赦なく抉った。
「ひぁっ、あ、あ…っ」
 急に与えられたたまらない快感に、悠がたまらず立脇のモノから口を離して、高い声をあげる。
「こら。しっかり銜えんか」
 立脇は、悠の頭を押さえつけると、無理遣り喉奥まで突き入れた。
「ぐふっ、う、うっ」
 苦しげに呻き、苦痛と快感に悠が涙を滲ませる。
「本当にへただなあ」
 あきれたような声で言う立脇に、赤松は笑って、張り型を勢いよく引き抜いた。
「まだまだ仕込みたてですからね。これからたっぷりと調教してやりますよ」
 低い笑いと共に、さんざん嬲られて綻びた後ろへ、指をいきなり二本纏めて突き入れる。
「そっちの具合はどうだね」
 立脇は、悠の顔に向かって腰を使いながら、赤松に問いかけた。
「もう大分良い感じですよ。ぐちょぐちょに濡らして、ぎゅうぎゅう指を締め付けてくる」
 掻き回すように指を動かされて、悠は身体を震わせた。塞がれた喉のせいで、呼吸ができない。
 赤松が強引に引き出す快感と、立脇のモノで喉を塞がれる苦しみに、悠の意識は飛ぶ寸前だった。
「後ろを弄られて勃たせてるとは…とんだいやらしい生徒だ」
 勃起した悠のモノが、スカートを押し上げ、プリーツがいびつな山を作っている。
 立脇は鼻で笑うと、十分に張りつめたモノを、悠の口からぬらりと引き出した。
「かはっ、はぁっ、はぁっ」
 口端から溢れだした唾液が、悠の顎を伝い、喉元まで濡らす。
「では、お先に頂きます」
「どうぞどうぞ。ごゆっくり」
 床に這わせた哀れな生徒を前にしたものとは思えない程、のんびりとした会話が交わされ、立脇ががしりとスカート越しに悠の細腰を掴んだ。
「あぁっ。…うっ、うぁ、ぁああっ」
 狭い入り口を無理遣りこじ開け、一気に突き入れられた熱い塊に、悠が仰け反って声をあげる。
 どんなに解されていても、まだこの行為に慣れない身体に、立脇のモノは大きすぎた。
「いっ、あ、あ、あっ」
 引きつるような悲鳴をあげて、身体をびくつかせる悠の髪を無造作に掴み、赤松が顔をあげさせる。
「どうした。うれし泣きかね?」
 涙に濡れた悠の頬を一撫でして、赤松は無理遣りその口に指を滑り込ませた。
「可愛い悲鳴を聞きたいのはやまやまだが、一応ココは学校、なのでね」
 悠の悲鳴は、赤松のモノで封じられた。
「なかなか…キツイですな」
 立脇のモノを拒むようにきつく閉じる後ろに、低く呻きながらも、立脇がゆっくりと動き始める。
「うぐっ、う、うぅう…っ」
 締め付ける内部に逆らい、ギリギリまで引き抜いたモノを、二度、三度と突き上げ、根元までねじ込む。
 その度に、赤松の先端が喉奥を抉り、悠は涙を溢れさせながら、応接室の絨毯にがりがりと爪を立てた。
 どうして僕が、こんな目に遭わなければいけないんだろう。
 霞がかったような思考の中、今まで何度も思ったことを、今日もまた思う。
 何も、悪いことなどしてないのに。
 これが、僕の運命なのかな…。
 どんなにつらくても、屈辱でも、死にたくなるほど嫌な事でも、今の悠には耐えるしかない。その道を自分で選んだのだから。
 それでも、やっぱり。
 どうして僕がこんな目に…と、こんな時には思ってしまう。
「んあっ」
 突如襲った快感に、悠は口から赤松のモノを零れさせ、高い声を上げた。
「ん、ココか?」
 腰を回すようにして突き入れた立脇が、悠の感じる場所を探し当てて、にやりとほくそ笑む。
 立脇は、悠の身体を横抱きにすると、細い足を抱えるようにして、何度も腰を突き上げた。
「どれどれ」
 赤松の手がスカートをめくり、勃ちきった悠のモノが晒される。
「先走りが床にまで垂れてるぞ」
 あきれたように言われて、悠はかぁっと頬に血を昇らせた。
「はしたないなあ。今の君はセーラー服の女子高生なんだから」
 声と共に、音を立てて引き抜かれた絹のスカーフが、張りつめたモノにきつく巻き付く。
「うぁ、あ…っ」
 ぎりぎりと締め上げられて、悠は身体をくねらせながら、呻くような声をあげた。
「どうですか?立脇さん」
 再び悠の口に怒張を突きつけながら、赤松が問いかける。
「かなりの…上物だね。ちとキツ過ぎるが、そこがまた初々しくていい」
 ぎゅうぎゅうと締め付ける悠の内部を思う存分味わいながら、立脇は気まぐれに腰を動かした。
「うぅ、うぅっ」
 再び口を赤松のモノに塞がれ、悠がぼろぼろと涙を零す。
 滅茶苦茶に角度を変え、悠の内壁を抉るように立脇のモノが暴れまわり、引き裂かれるような苦痛の中、時折襲う目も眩むような快感に翻弄される。
「そろそろ…イきそうだ」
 好き放題に悠を蹂躙し尽くし、立脇はようやく大量の白濁を悠の中に放った。
「私も…、うっ」
 悠の頭を両手で押さえ込み、赤松もその喉に迸りを叩きつける。
「げほっ、か…はっ」
 ゆっくりと離れる二人に、悠は床にくずおれると、激しく咳き込んで、僅かに白濁を吐いた。「は〜、良かった。赤松さんは良いコをお持ちだ」
 滴る汗を拭いながら言った立脇が、服を乱したままソファにどさりと腰を下ろす。
「まだまだ躾はなってませんがね」
 ため息まじりに言いながら、赤松が床に蹲る悠を見下ろす。
 悠は、虚ろな目をしたまま、ぴくりとも動かなかった。
 めくれあがったスカートから、赤いスカーフで戒められたままのモノが、僅かに覗いている。「来月の研修旅行には、是非同伴で」
「あぁ、そのつもりですよ。それまでには、皆さんに恥ずかしくないよう調教しなくては」
 背後で交わされる会話を、聞くともなしに聞きながら、ゆっくりと目を閉じる。
 どうして、僕がこんな目に…。
 遠のく意識の中、悠は自分の運命を呪った。 

   ◆終◆