「なあっ!聞いてる?」
声を掛けられて、水谷はちらりと隣に目を遣った。
きいきい鳴る丸イスを揺らしながら、桜井がじっとこちらを見つめている。
でかい図体して、子犬みたいな目で見るのは止めてくれ・・・。
水谷は小さく溜息をついて、書き物の手を止めると、桜井の方に向き直った。
「私は仕事中だし、君も授業中だと思ったが?」
水谷の、諫めるような口調に、桜井は小さく膨れてそっぽを向く。
「だって」
「だって?」
「最近、全然一緒に居られなかったから・・・」
桜井は、ここまで云うと何故か口ごもって僅かに顔を赤らめた。
水谷は、桜井の言いたいことが分かっていたが、赤くなっている桜井が面白いのでじっと見つめてみる事にする。
「な、なんだよ」
桜井は、ますます顔を赤くすると、威嚇するように水谷を睨んだ。
が、染まった目元と緩んだ瞳で睨まれたって、ちっとも迫力が無い。
水谷は、気にせずじっくりと桜井を眺めた。
頭のてっぺんからつま先まで、順にゆっくりと視線を巡らす。
キレイな顔して、やることはオヤジなんだよな・・・。
桜井は、水谷のじっとりといやらしく舐め回すような視線を感じて、顔を赤くしたまま、もぞもぞと身体を動かした。
水谷の視線に、身体が反応し始めている。
「何を期待してるの?」
水谷は、言いながら目を細めるとゆっくりと立ち上がった。
水谷のきている白衣に、桜井の視界が真っ白に遮られる。
桜井の真正面に立って、水谷はついと手を伸ばした。
頬に触れる指先の冷たさに、桜井がびくりと身を縮める。
水谷は、指先を滑らせるように桜井の頬から首筋を撫でた。
「先生・・・」
桜井が、乾いた唇を舐めながら、水谷の顔を見上げる。
「何?」
桜井の訴えるような視線と声に、水谷は憎らしいほど爽やかな笑顔で首を傾げた。
その間も、首筋を撫でる手は、肩から胸へと降りている。
コイツ・・・、オレに全部言わせる気だな。
水谷のとぼけた態度に、桜井はむっとして、水谷の手首を乱暴に掴むと立ち上がった。
「何、じゃねえよ。分かってんだろ!?」
立ち上がってしまえば、桜井の方がほんの僅かに背が高い。
桜井は、水谷の細めの手首を掴んだまま、僅か上から、水谷の顔を見下ろした。
「授業中に、大きな声を出すんじゃ無い。それに、バカ力で掴むのも止してくれ」
至近距離で見る顔は、相変わらずキレイで見とれるけれど、薄い唇から出てくる言葉は、冷静そのもので気に入らない。
桜井は、力任せに水谷を脇にある薬品棚へと押しつけた。
「こら。ガラスが・・・っ」
言いかけた唇を強引に塞いで、舌先で歯列をこじ開ける。
無理矢理舌を絡めよう・・・としたところで、水谷の手が桜井の股間をぎゅっと掴んだ。
「・・・っ!!!」
突然の刺激に、桜井が前屈みになりながら、息を詰めて水谷から離れる。
水谷は、無造作に桜井を押しのけると、桜井から離れて濡れた唇をぺろりと舐めた。
「がっつくのは止めなさい。誰かが来たらどうするんだ?」
恨みがましげに見つめてくる桜井に、水谷が叱るように言う。
桜井は、がっくりと項垂れると、唸るように呟いた。
「だって・・・もう、ガマンできねえ。ヤりてぇ・・・先生の中に突っ込みてぇ・・・」
だんだん大きくなる声に、さすがに水谷も慌ててくる。
いくら保健室は、教室から離れていると言ったって、いつ誰がくるとも知れないし、部屋の前を誰かが通ることだってある。
しょうがないな・・・。
水谷は、首を振りつつ溜息をつくと、保健室のドアに”外出中”の札を出しに行った。
普段なら、外出中でも部屋に鍵を掛けたりはしないが(鍵を掛けたりしたら、保健室としての意味がなくなってしまう)、さすがに今日は鍵も掛ける。
水谷は、音を立ててベッド室へのカーテンを開けると、振り返って桜井を見た。
「特別だぞ?」
にやり、と笑ってやると、桜井はしっぽを振る犬さながらに水谷に飛びついてきた。



「はあっ、ん・・・っ」
水谷の髪に指を絡め、桜井が荒い息をつく。
水谷は、限界まで張り詰めてひくついている先端を舐めながら、ちらりと桜井の顔を見上げた。
ぎゅっと眉根を寄せて、濡れた唇で喘いでいる顔は、色っぽくて結構スキかも・・・などと考えつつ、再びゆっくりと喉奥まで飲み込んで、早いピッチで顔を上下させる。
「ん・・・う、っく!!」
ぎゅっと水谷の髪を掴む手に力が込められ、桜井の腰がびくりと震えた。
髪を引っ張られる痛みに顔を顰めつつ、口中に溢れかえる青臭くどろりとした液体を、喉を鳴らして飲み下す。
「・・・濃すぎ」
水谷は、ゆっくりと桜井の足の間から顔をあげると、顔を顰めてぼそりと言った。
久しぶりなだけあって、若い桜井の精液はたっぷりと濃く、喉に絡みつく。
「久しぶりなんだから、しょうがねえだろ」
桜井は、唇を尖らせながら、僅かに乱れた水谷の髪を撫で付けた。
「でも、全然出し足らないみたいだね」
桜井のモノは、放ったばかりだというのに、なお勢いは衰えずそそり立っている。
水谷は、濡れた唇を舐めながら、自分の唾液に濡れたモノを、ゆっくりと手で扱いた。
「今度は、中に出さしてよ・・・」
水谷を抱き寄せながら、桜井が掠れた甘い声で囁く。
目を閉じて、桜井の優しい口づけを額に受けると、水谷は笑って桜井の逞しい腰を跨いだ。
「今度は量を控えめにな」



「なんか・・・ハダカよりエロいかも」
水谷が、腰を動かす度に、前をはだけた白衣とシャツの間から、ちらちらと覗く淡い色の胸元が、なんともいえずいやらしい。
桜井は、ごくりと唾を飲み込むと、手を伸ばして勃ちあがった乳首を摘んだ。
「んあっ!」
こりこりと指先で転がしてやると、水谷の身体がひくりと震えて、内部の締め付けが増す。
「先生、胸すげえ感じるよね」
水谷の感度の良さに、感心するように言いながら、桜井の指先がしつこく乳首をこね回す。
「は・・・、あっ、あ、んまり触る、なっ」
水谷は、桜井の腹に手を付いて、腰を揺らめかせながら、ぎゅっと目を閉じて首を振った。
水谷が動く度に、腹に付きそうなほど反り返って、透明な蜜を零し続けているモノがふるふると揺れる。
桜井は、ソレにはわざと触れずに、弄りすぎて大粒になった胸の先に爪を立てたり、引っ張ったりして、水谷の反応を楽しんだ。
一度放っているせいもあって、桜井はなかなかイこうとしない。
その上、こちらをイかせる気も無いらしい。
時折、思い出したように下から突き上げてくる他は、ずっと乳首を弄んでいる。
もういい加減、自分で動くの疲れてきたな・・・。
水谷は、相変わらず胸を摘んでいる桜井の手を両手で掴むと、口元まで持っていって、指先を口に含んだ。
見せつけるように、指に舌を絡ませながら、緩慢に腰を振る。
あからさまな水谷の痴態に、桜井の血圧が一気にあがった。
水谷の中で、桜井の容積が一層増す。
「タク」
舌たるい甘えた声で、水谷が桜井の名前を呼んだ。
途端に、桜井の両手が水谷の腰を着衣ごと掴み、下からすごい勢いで突き上げはじめる。
「あっ、あっ、あぁ・・・んっ・・・ふっ」
次第に高くなる自分の声に、水谷は慌てて桜井の指を咬んだ。
身体ごと跳ね上がりそうになるほどに突き上げられ、重力の力を借りて落ちた身体が、根本まで桜井のモノを受け入れる。
「・・くうっ!!」
「・・・んあっ!」

ベッドのシーツと同じぐらい、目の前が真っ白になって、自分の中と外が、同時に爆発するのが分かった。
荒い息をつきながら、ゆっくりと目を開けると、満足しきった顔で、桜井がぼーっとしている。
水谷は、乱れた息を整えもせずに、無造作に桜井の上から離れると、手元のティッシュて手早く自分と桜井の汚れを拭った。
「ホラ、起きて。もう、チャイム鳴るぞ」
乱れた衣服を整えながら、ふぬけた顔の桜井の頬をぺちぺちと叩く。
「気持ちよかった・・・」
実感のこもった桜井のつぶやきが聞こえたのか聞こえてないのか、水谷はさっさとカーテンを開けて行ってしまった。
「あ、ちょっと先生・・・」
「じゃ、さっさと支度しろよ。あ、シーツは全部剥がして置いて」
言うが早いか、しゃっと音を立ててカーテンが閉められる。
「・・・切り替え早すぎ」
ベッドの上に一人残されて、桜井は下半身ハダカのまま呟いた。


おっかしいなあ・・・。途中まで、クールで細身な先生×やんちゃでガタイ良い生徒だった筈なのに、いつのまにか受け攻め逆に。年下攻めになっちゃったよ。やっぱり、ガタイの良い受けっていうのが書きにくかったのかなあ?年下攻めも珍しいけど(笑)白衣とガクランって萌えるよね〜!とか思いつつ書きました。私の妄想内では、桜井くんはガクラン着てるんです。そんな描写これっぽっちも出てきませんが!(笑)だって、ガクランってどうなってるのかよく分かんないから書けなくて・・・。ガクランの下って何着るの?シャツ?冬はセーターとかも着るの?謎・・・